＜女装コンテスト第３話＞

　学校帰りに知世の家に桜達（木之本桜・李小狼・本城真）はやって来たのである。

真「久々の大道寺邸！久々に来たから迷子になりそうだなぁ！」

知世「おほほほ！真君、大袈裟ですわ！確かに真君が私のお家に来られるのは久しぶりですわね！」

桜「そうなの？知世ちゃん！」

知世「ええ、そうですわよ！さくらちゃん！最近、真君のお家に行かせて頂いているので、真君が私のお家に来られるのは久しぶりなんですのよ！真君のお家には実は屋根裏部屋が有りますのよ！私はそこがとても気になりますのよ！屋根裏部屋=禁断のお部屋、そこには何が有るのか、ますます、私、気になりますわ！」

桜・小狼「屋根裏部屋！？」

桜「ほえええ～！ま、まさか、お化けとか居ないよね？さくら、居たら嫌だよ～！」

真（うちの屋根裏部屋にお化けなんて出たっけ？）

知世「さくらちゃん、まだ、居ると決まったわけではありませんわよ！」

桜「だって、だって、屋根裏部屋ってさ、薄暗いから居ると思っちゃうんだもん！」

知世「もし、お化けさんが出ても、さくらちゃんには李君がいらっしゃるので、心配ご無用ですわ！私がさくらちゃんを介抱する李君をビデオで撮る、こんな幸せな事は他にはございませんわ～！」

桜「もう、知世ちゃんたら、恥かしいよう～！」

小狼「お、俺は本城の家の屋根裏部屋に行くなんて、一言も言ってないぞ？大道寺！確かに屋根裏には興味は有るけどな！」

真（李も、調べる気満々なんだ！（焦り））

「でも、あそこ、埃っぽいから止めた方が良いんじゃ、あそこ、引っ越して来た時から開けてないしな！」

知世「あら、そうなんですの？」

　真は知世に頷く。

知世「では、たまに、掃除をしてみるのも、良いかもしませんわね！もしかしたら、良いほり出し物が有るかもしれませんわ！」

小狼（コイツはまた、良からぬ事を考えやがって！）

知世「あら？どうかなさいましたの？李君！」

小狼「いや、何でもない！それより、こんな事、話に来たんじゃないだろ？」

桜「そうだよ！知世ちゃん！」

知世「ですわね！私、どうかしてましたわ！」

桜「知世ちゃん、何か、変だよね？小狼君！」

小狼「ああ、そうだな！いつもより、回りくどいな！」

知世「そうですか？普通ですわよ！あっ、そうですわ！私のお母様が美味しいお菓子を買って来て下さいましの！今、持って来ますわね！」

　知世はリビングを出て行った。

小狼「（いつも、変だけど、）特に今日はアイツ、可笑し過ぎる！本城！お前、大道寺に何かしたのか？」

　小狼は真を疑っている。

真「いや、俺は何もしてない！」

小狼「そうか？」

真「そうだよ！」

（何故、俺を疑うんだ！）

　小狼は相変わらず、疑り深い奴である。

桜「（真の話は聞いていない。）知世ちゃんは好きな人の服を作るから、緊張してるんだよ！きっと！」

小狼「そうなのか！さくら！」

（相変わらず、唐突だなぁ！さくらは！）

真「/////」

（ま、マジすっか？！）

　数分後、桜達の所に知世が戻って来たのである。

知世「皆さん！お待たせしました！お茶とお菓子ですわ！」

一同「有り難う！」

桜「このお菓子って、観た事無いんだけど、何処のお菓子なの？知世ちゃん！」

知世「えっ！？これはですわね！フランスのお菓子なんですのよ！ですが、お母様がお母様のご友人の頂き物と仰ってましたわ！」

真「！？」

小狼「俺はこれをどっかで観た事あるぞ！確か、雑誌で観た様な気がする！」

知世「あら、そうですの！李君はお暇なんですのね！」

小狼「うるさい！大道寺！そういう雑誌を勉強の合間に読んでいるだけだ！」

知世「あら、そうですの！今のはどうでも良いお話ですわ！貴方の言い分など、私は聞きたくありませんわ！」

　知世は呆れた顔で小狼に言った。

真「あ、あのさぁ、ともよちゃん！このお菓子は実は俺の親父が作った物に似てる気がするなぁ？」

　真は今、思い出した様に知世に言った。

知世「ええっ！？何ですって！？それは本当ですの？真君！」

桜「ほええっ！？そ、それ、ホントなの？本城君！」

小狼「な、なっ、何だって？！そ、それは、ほ、本当なのか？本城！」

　全員（知世を含む３人）は真の発言に驚いていた。

真「か、確信は無いけど、この味、このデザインは多分、俺の親父の物だと思う！」

知世「まぁ～、そうなんですの？真君はとても凄いですのね！では、こちらはお判りになられるでしょうか？」

小狼「うっ、これは、・・・何時ものあれじゃないのか？」

桜「はう、小狼君の言う通りかもしれないよ！」

小狼「さくら、お前もそう思うのか？」

桜「うん、そうだよ！」

　知世の持っている服を観て、桜と小狼は何時ものお約束じゃないかと思った。

真「何時ものあれって、何だ、それ？」

小狼「知らなくても、良い事だって有るぞ！本城！」

桜「そうだよ！」

知世「何時ものあれとは、私が説明しましょうか？真君！」

小狼「大道寺、お前は余計な事を言わなくて良い！」

桜「知世ちゃん、余計な事、言っちゃ駄目だよ！」

知世「（桜と小狼の話は聞いていない。）では、真君、こっそり、教えて差し上げましょう！ちょっと、耳を貸して下さいな？」

真「う、うん、解った！」

　真は知世に耳を貸した。で、数分後。

真「お前らってさぁ、ともよちゃんとどういう関係なんだ？」

　知世の発言に不審に感じた真は桜と小狼に聞いた。

桜・小狼「そんなの言いたくないよぉ～！／そんなの言いたくない！」

　桜と小狼は嫌がって、答えたがらない。

真「そんなに嫌なんだ！なのに、何でこういう事に付き合うんだ？」

桜・小狼「あっ、それは、・・・」

桜「やる人が居ないからだよね？小狼君！」

小狼「あ、ああ！だったら、お前が変わってくれるか？本城！」

真「えっ、あっ、えっ！？何で俺が？」

　真は小狼の発言に声にならない声を上げる。

桜「本城君が代わりにやってくれたら、私達がとても助かるけど、やってくれるよね？本城君！」

真「えっと、２人共、これは何のつもりだ？」

桜「だって、本城君は知世ちゃんの事、好きなんでしょ？」

真「え、/////えっと、/////それと、/////これとは、話が別でしょ？/////木之本！」

小狼「ああ、そうなのか？本城！」

真「な、/////何で、俺がこうなるの？」

（２人は俺にあれを着せようと思ってるんだ！）

小狼「お前、何か、隠してるだろ？」

真「それは何の話だ？」

桜「それ、私は知ってるよ！」

小狼「それ、本当か？さくら！」

桜「うん！実はこの前、知世ちゃんに聞いたんたけどね、昔、本城君がね、お姉さんの茉莉ちゃんと服を交換して良く悪戯してたって、言ってたよ！」

真「な、何で、ともよちゃんはそんなくだらない事を覚えてるんだよ？」

（ともよちゃんの馬鹿ぁ～！何で、余計な事言うんだよ！あれ程、言うなって言ったのに！この裏切り者め～！）

桜「面白いからじゃないの！でね、知世ちゃん以外の人には、ばれなかったんだって！」

小狼「おお～、凄い話だなぁ！さくら！」

桜「そうでしょ！」

真「今は流石にばれるだろ！」

知世「いえ、御心配には、及びませんわ！（脱がさない限り）皆さんに、私はばれない事を保障致しますわよ！」

（それに、今の私だって、たまに見間違える位ですもの！自分としてはお恥ずかしいですわね！）

小狼（大道寺って、最低な女だ！）

知世「真君は茉莉さんよりも、（女装姿が）可愛いんですのよ！ああ、楽しみですわ～！では、こちらは、李君がお召しになって下さいな？」

小狼「絶対に、嫌だ～！」

　小狼は知世の発言によって、嘆いていた。彼と同じく、真もそうだった。

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