この物語はオリキャラを含む小説です。大丈夫な方は下記を御覧下さい。

[0回]

＜きみと僕（山崎side）その２＞

小狼「電車で行かないか？」

「でもねぇ～、李君？電車だと乗り換えが多いんだよ？友枝遊園前で乗り換えて、友枝美術館前から友枝平和記念公園で雨寺神社だよ！

小狼「友枝平和記念公園って、何だ？聞いた事が無いんだが？」

「いや、李君！友枝町に住んでいる人なら、皆が知ってるよ？」

小狼「えっ！？そうなのか？」

「まぁねぇ！その近くには、原爆資料館が在ってねぇって、李君今、そんな話をしてるんじゃないんだよ。」

　僕は千春ちゃんが今、居ないので、自分で突っ込んだ。

小狼「いや、何か、気になって！」

「そんなに気になるのかい？」

小狼「ま～な！他にも、気になる事が有るんだが・・・」

「何だい？」

小狼「雨寺神社って、お前が前に言ってた友達の家なのか？友枝町でも、同じ名前の神社の事を聞いた事あるぞ？お前が６年生の時、アイツを友枝町で見掛けたって、言ってたよな？もしかして、アイツの実家って、友枝町なのか？実際はどうなんだ？」

「彼に聞いたんだけど、彼の実家は友枝町じゃなくて、四葉町なんだって！どうして、友枝町に居たかは本人に聞いても、話してくれなかったよ！何か、事情が有るんじゃないのかい？李君の家みたいにね！」

小狼「？」

（俺みたいって、どういう事だ？ま、まさか、アイツが？そんな事は無いだろ！あははは！）

「別に、何でも無いよ！あははは！」

　その事を言ったら、不味い気がしたので、僕は笑って、誤魔化す事にした。

小狼（何でも無いだと？山崎の奴、何か、怪しいぞ！絶対、何か、隠してるな。）

　李君は僕を疑いの目で見つめて来たけど、無視した。

「さっきの話に戻るけどね、バスか、自転車のどっちが良い？聞いてるのかい？李君！」

小狼「えっ？ごめん、聞いてなかった！山崎、もう一回、言ってくれるか？」

「もう、しょうがないなぁ！もう一回、言うから聞きなよ！バスか、自転車のどっちが良い？」

小狼「ああ、そうだなぁ。バスだったら、渋滞してたら、目的地に着くのが遅くなるし、自転車の方が良いんじゃないのか？でも、その日が雨だったら、バスだろうなぁ。ああ、どっちが良いんだ！」

（あ～、李君のいつものも、悪い癖が出たよ。）

　僕は李君に呆れて、溜息を吐いた。

「もう良いよ、李君！僕が決めるから！」

小狼（うわぁ、凄く呆られてる。）

「自転車で行こう！因みに、雨は降らないよ！」

（李君は相変わらず、心配性なんだから。）

小狼「そ、そうか！」

（梅雨の時期は天気が変わりやすいからな。その事、コイツは分かってるんだろうか？）

　小狼は苦笑いを浮かべながら、答えた。

「今回、行く喫茶店は雨寺君の行きつけなんだよね！」

小狼「なっ！？何だってぇっ！？そんな所に行って、大丈夫なのか？」

「大丈夫！大丈夫！」

小狼（山崎の言ってる大丈夫は信用出来ないからな！）

　小狼は困った顔で思った。

　僕は翌日、友枝駅で李君を待っていた。

　少し早く着いてしまった。というか、これには理由が有るんだ。

　千春ちゃんからとんでもない言い掛かりをつけられて、逃げる様にここへやって来た。

　そこへ、何も知らない小狼が現れる。

　僕は何も無かった様な顔をする。李君に余計な心配を掛けたくないから。

「李く～ん！こっちだよ！」

小狼「ああ、分かってるよ！」

「じゃあ、行こうか、李君！」

小狼「ああ、そうだな！」

（俺はアイツの行きつけっていう処が気になる。何事も無ければ、良いんだが。）


第３話に続く